パク・ソンフンさんは、『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』のチョン・ジェジュン役や、『涙の女王』のユン・ウンソン役で知られる韓国の俳優です。主人公を脅かす人物を演じる一方、公務員の恋愛や、過酷な状況で他者を思いやる人物も演じています。
出演ドラマを選ぶなら、悪役の印象に加えて、作品ごとに異なる立場にも注目してみましょう。代表作の役柄から、恋愛ドラマで見せる一面、近年の出演作まで、次に見る一本を選ぶための見どころを紹介します。
代表作で知る、三つの異なる役柄
『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』身勝手な加害者ジェジュン
2022年に配信が始まり、2023年に後半が公開された復讐劇です。学生時代に激しいいじめを受けたムン・ドンウンが、長い時間をかけて加害者たちへの復讐を準備する物語で、パク・ソンフンさんは加害者の一人、チョン・ジェジュンを演じています。
成人したジェジュンは高級ゴルフ場を所有し、経済的に恵まれた暮らしをしています。しかし、立場を得たあとも他人を軽んじる態度は変わらず、ドンウンの過去と現在をつなぐ人物として物語に関わります。
この役で注目したいのは、復讐される側にいる人物の日常です。被害者にとって消えない傷が、加害者の生活では置き去りにされている。その隔たりを知ることで、ドンウンがなぜ長い年月を復讐に費やすのかも理解しやすくなります。
本人はインタビューで、ジェジュンを自分の欲望に従って生きる人物として説明しています。計画的な復讐と、身勝手な加害者たちの関係がどう交差するのかを追いたい方に向く作品です。いじめや暴力を扱う重い題材であることも、作品を選ぶ際の目安になります。
『涙の女王』夫婦の間に入り込むウンソン
2024年放送の『涙の女王』は、結婚生活の危機に直面したペク・ヒョヌとホン・ヘインの関係を描くドラマです。パク・ソンフンさんが演じるユン・ウンソンは、ウォール街での経験を持つ投資の専門家で、ヘインとの過去の縁を持っています。
ウンソンは仕事の能力や財力を備えた人物として現れますが、ヘインへの思いと野心を抱えており、夫婦の関係に緊張をもたらします。恋愛だけでなく、財閥一家の事業や利害も重なるため、彼の接近は複数の意味を持つことになります。
ジェジュンと並べて見るなら、二人が相手との距離をどう縮める人物なのかに注目すると、役柄の違いがつかみやすいでしょう。ウンソンの場合は、表向きの有能さや礼儀正しさと、内側の思惑を併せて見ていくことがポイントです。
夫婦がお互いを理解し直していく過程に加え、その関係を揺さぶる人物の働きを楽しみたい方におすすめです。主人公たちの恋を応援するほど、ウンソンが物語にどのような圧力をかけるのかが気になってきます。
『恋の始まりは出馬から!?~すべき就職はしないで出師表~』公務員ゴンミョンの恋
2020年放送の『恋の始まりは出馬から!?~すべき就職はしないで出師表~』では、役所で働くソ・ゴンミョンを演じています。就職の代わりに区議会議員を目指すク・セラと、公務員のゴンミョンが関わっていく、地方政治を題材にしたラブコメディです。
ゴンミョンは名門大学出身の事務官で、自分の生活や幸せを大切にする個人主義者です。区長に目を付けられ、住民からの請願に対応する部署へ異動したところで、正義感が強く行動的なセラと接点を持つことになります。
見どころは、恋愛と共同作業が結び付いている点です。ナナさん演じるセラとの距離が近づく過程に、地域の問題や政治家との対立が重なり、二人が協力する理由も積み重なっていきます。
相手を支配しようとする人物とは異なり、同じ問題に向き合う相手としてパク・ソンフンさんの役を見られる作品です。恋の進展だけでなく、考え方の違う二人が組んで物事を動かす物語を楽しみたい方に向いています。
ドラマで積み重ねた経歴と受賞
パク・ソンフンさんは1985年2月18日生まれで、韓国語表記は박성훈、公式英字表記はPARK SUNG HOONです。公式プロフィールでは身長183cmと紹介されています。初期のドラマ出演作には、2011年の『僕らのイケメン青果店』があります。
近年の出演作より前の歩みを知るなら、2018年の『たった一人の私の味方』も押さえておきたいドラマです。父と娘の関係や家族の葛藤を描く作品で、歯科医師のチャン・ゴレを演じました。
ゴレは恋愛に慎重な人物で、ナ・ヘミさん演じるキム・ミランとの関係も描かれます。家族との関わりの中で人物を追うホームドラマなので、事件や対立を中心とした近年の作品とは違う角度から、出演歴をたどれます。
2018年にはKBS演技大賞の男性新人賞を受賞しています。また、2020年にはゴンミョン役を演じた作品で、KBS演技大賞のミニシリーズ部門優秀演技賞と、ナナさんとのベストカップル賞を受賞しました。恋愛ドラマでの演技にも、具体的な受賞歴があります。
その後、2022年から2023年の復讐劇、2024年の財閥夫婦を巡る物語へと、演じる人物の立場が変わっていきます。出演歴をたどると、家族、恋人、対立相手など、異なる立場の役を重ねてきたことが分かります。
同じ悪役でも変える、声と言葉の設計
パク・ソンフンさんの役づくりを知る手掛かりになるのが、本人が説明した二つの悪役の演じ分けです。『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』と『涙の女王』について、外見だけでなく、発声や表情も変えたと語っています。
ジェジュンでは言葉に高低差を付け、語尾に強調を置く一方、ウンソンでは口調を抑え、言葉の出だしを強調するようにしたという説明です。同じように経済力を持ち、人を傷つける人物でも、話し方の組み立てを変えていたことが分かります。
この話を知ってから作品を選ぶと、悪事の大きさだけでなく、人物がどのように言葉を使うかという楽しみ方ができます。何を言うかに加え、どこを強く言う人物なのかを意識すると、二役の違いを確かめる手掛かりになるでしょう。
さらに、本人は自分とかけ離れた人物を演じることに挑戦する面白さを感じると話しています。役柄を通して表現できる範囲を広げようとする姿勢は、家族ドラマ、復讐劇、ラブコメディと出演ジャンルを見渡すうえでも興味深い点です。
声の使い方と役柄の目的を併せて意識すると、人物を演じ分ける工夫にも目を向けやすくなります。本人の言葉を入り口に、作品の中でその違いを確かめてみてください。
近年の出演作で広がる人物像
『イカゲーム』過酷な競争の中で仲間を思うヒョンジュ
2024年配信の『イカゲーム』シーズン2と、2025年配信のシーズン3では、参加番号120のヒョンジュを演じています。ヒョンジュは特殊部隊での勤務経験を持つトランスジェンダー女性で、必要な医療を受ける費用を得るためにゲームへ参加します。
命を懸けた競争の中で、自分の事情を抱えながら周囲を気遣うことが、この人物を知る大切な要素です。パク・ソンフンさんも、他者への配慮や優しさに役の魅力を感じたと語っています。
それまでの悪役から役柄の幅を知りたい方には、人物の行動の目的を比較しやすい出演作です。競争が人を追い詰める状況で、助け合いがどのような意味を持つのかにも注目できます。出演はシーズン2からですが、物語の背景を理解するにはシリーズの始めから見るとつながりをつかみやすくなります。
本人によれば、『涙の女王』とシーズン2は並行して撮影しており、体力面での大変さがあった一方、共演者から学ぶことも多かったそうです。対照的な人物を近い時期に演じていたという背景は、ウンソンとヒョンジュを見比べる際にも興味深い点です。公開順に役柄が変わったように見えても、制作の現場では異なる人物の物語を同時に担っていました。
『未婚男女の効率的な出会い方』温かな家庭を望むテソプ
2026年の『未婚男女の効率的な出会い方』では、木工スタジオの代表ソン・テソプを演じています。ハン・ジミンさん演じるイ・ウィヨンが、性格の異なる二人の男性との出会いを通じて、自分にとっての愛を考えるラブコメディです。
テソプは紹介をきっかけにウィヨンと出会い、愛する相手と家庭を築くことを望む人物です。もう一人の相手である自由奔放なシン・ジスとの違いが、恋愛に何を求めるかという物語の軸につながっています。
安心して暮らせる相手を選びたい気持ちと、恋に心が動く感覚。その両方を考える作品なので、大人の恋愛や将来への価値観に関心がある方に向いています。パク・ソンフンさんを恋愛の相手役として見たい場合にも選びやすい一本です。
初めて見るなら、どの作品を選ぶ?
緊張感のある物語を楽しみたいなら、『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』が候補になります。復讐する側とされる側の関係を追いながら、ジェジュンという人物を捉えられるからです。夫婦の感情の変化も味わいたいなら、『涙の女王』から入るとよいでしょう。
恋愛を中心に選ぶ場合は、二人で問題を解決していく関係が好きか、結婚を見据えた相手選びに興味があるかで考えると選びやすくなります。前者ならゴンミョンとセラの物語、後者なら『未婚男女の効率的な出会い方』がおすすめです。
一作品を見終えたら、次は主人公との関係が違う役を選んでみてください。恋人、協力者、対立する相手と、物語の中の立場を変えて見比べることで、パク・ソンフンさんの出演ドラマをさらに楽しめます。

