チェ・ギョシクさんは、韓国ドラマで市井の人々や働く人たちを演じてきた俳優です。『逆賊-民の英雄ホン・ギルドン-』のトンチュン役を入口にすると、名前を大きく掲げられる人物だけではない、物語の住人を担う仕事が見えてきます。
『テプン商事』で気になった方にも、異なる時代や場所でどのような役を担当しているのかを紹介します。主演人物とどんな社会を共有しているのかという視点で見ると、出演作をつなげやすくなります。
まず知りたい三作
民の側に立つ役
2017年の『逆賊-民の英雄ホン・ギルドン-』では、民の一人であるトンチュンを演じました。ホン・ギルドンを軸に、権力と人々の暮らしを描く時代劇です。
王や武将だけでなく、その時代に生きる普通の人々にも目を向ける作品で、トンチュンはその視線に関わる人物です。英雄の行動が誰に届くのかを考えるとき、民の側に立つ役が物語の意味を具体的にします。
当時のインタビューでチェ・ギョシクさんは、この役の場面を託されたことへの喜びや責任を語っています。長く小さな役を重ねてきた自身の歩みとも重なる経験として振り返っており、出演作を知るうえで大切な一本です。
その場面の結末はここでは伏せておきます。権力者の争いだけでなく、その下で生きる人々の選択を描く時代劇を見たい方におすすめします。
『ペントハウス』
『ペントハウス』シリーズにも出演しています。富と地位、子どもの将来をめぐる欲望が重なる物語の中で、学校の用務・警備に関わるパクさんという役で登場します。
社会的な成功を求める人々の物語を、支える側で働く人物から見直すこともできます。学校という空間には、生徒と保護者、教師に加え、日常の運営に関わる人々もいるからです。
強い対立や秘密の積み重ねを楽しみたい方に向く作品です。人物が何を知り得る立場なのかを意識しておくと、登場人物の多い物語でも関係を整理しやすくなります。
『テプン商事』
『テプン商事』では、ガラス加工会社の社長として出演しています。1997年の経済危機を背景に、貿易会社を守ろうとする若者たちと、取引を通じてつながる人々を描くドラマです。
主人公の会社の外にも、それぞれ仕事を続けようとする事業者がいます。社長という肩書きが大企業の権力者だけを意味しないことを意識すると、働く人々の関係を広く見渡せます。
小さな役を重ねて
2017年の『逆賊-民の英雄ホン・ギルドン-』に関する報道では、チェ・ギョシクさんは長年にわたって多数の小さな役を演じてきた俳優として紹介されています。トンチュンについて本人が語った言葉は、その積み重ねの中で一つの役に出会った経験を伝えています。
出演時間や人物紹介の長さだけでは、作品の中で果たす役割は測れません。主人公の行動を受け止める人がいることや、街や仕事場にそれぞれの生活があることも、ドラマを成立させる要素になります。
立場を比べる楽しみ
時代劇の民、現代の学校で働く人、会社を営む人物と並べると、チェ・ギョシクさんの出演作には異なる社会の一員が見えてきます。身分、職務、商売という条件が変われば、他者と関わる方法も変わります。
まずは『逆賊-民の英雄ホン・ギルドン-』で役への取り組みを知り、現代劇に進む見方がおすすめです。『テプン商事』から入った方も、登場人物の職業だけでなく、その社会のどこにいる人なのかに目を向けてみてください。
チェ・ギョシクさんをたどることは、普段なら役名を調べずに通り過ぎていた人物に目を向けることでもあります。中心人物のそばで作品の世界をつくる人を知ると、韓国ドラマの見方が少し広がります。
