チェ・ミンホさんは、SHINeeのミンホさんとして音楽活動を続けながら、韓国ドラマでも経験を重ねてきた俳優です。学園ロマンス、青春時代劇、ファッション業界の群像劇、家族を描くラブストーリーと、出演作の舞台は幅広くあります。華やかな姿だけでなく、進むべき道や人との距離に迷う青年を演じるところにも注目したい存在です。代表作の役柄を軸に、音楽との両立や近年の活動までたどります。
代表作と役柄
『花ざかりの君たちへ』
2012年の『花ざかりの君たちへ』で演じたのは、走り高跳びの選手カン・テジュンです。優れた実績を持ちながら、けがをきっかけに競技から遠ざかっている青年。ソルリさんが演じるク・ジェヒは、彼に励まされた経験から今度は自分が力になろうと考え、男装してテジュンの通う男子校へ入ります。
この作品でテジュンに必要なのは、競技で注目される人の姿と、跳べなくなった人の心の両方です。周囲から期待されても、自分の中で前へ進む準備ができているとは限りません。ジェヒとの出会いによって、誰かに支えられることを受け入れていく過程が、青春ロマンスの中心になります。
チェ・ミンホさんの運動に親しんだ印象が役の入口になる一方、物語では記録だけで解決できない気持ちも描かれます。仲間との暮らしや恋を通して、競技への向き合い方が変わる。その関係の変化を追うと、スポーツを題材にしたヒーロー像にとどまらないテジュンの魅力が見えてきます。
男子校という限られた空間で、毎日顔を合わせる人との距離が少しずつ近づいていく作品です。俳優としての初期の主演作に触れたい方にも、わかりやすい入口になります。
『ザ・ファビュラス』
2022年の『ザ・ファビュラス』では、ファッション業界で働くチ・ウミンを演じました。撮影の仕事に才能を持ちながら、自分の進みたい方向をはっきり定められずにいる人物です。チェ・スビンさん演じるピョ・ジウンとは元恋人で、別れた後も同じ仲間たちとの付き合いが続いています。
恋人だった頃の記憶があるからこそ、友人としての距離は簡単に決まりません。相手のことを知っている親しさと、すでに別れているという事実が同時にある。ウミンを見る時は、今何を感じているかに加え、二人がどんな時間を共有してきたかを意識すると関係がつかみやすくなります。
物語にはデザイナーやモデルなど、異なる職業を持つ親友たちも登場します。恋愛の悩みと仕事の不安が一人の生活の中で並び、誰かの失敗や挑戦に友人が関わる構成です。ウミンが自分の才能をどう使い、どこへ向かうのかという問題も、恋と切り離せません。
Netflixの公式インタビューでは、チェ・ミンホさんはウミンについて、ジウンが必要とする時にそばへ駆けつける人物として紹介しています。大きな言葉で気持ちを説明するだけでなく、相手のために動くことが関係を示す。大人になった青年の不器用さを楽しめる役です。
『家いっぱいの愛』
2024年の『家いっぱいの愛』で演じたナム・テピョンは、テコンドーの指導とスーパーの警備の仕事をしている青年です。スーパーで働くピョン・ミレをソン・ナウンさんが演じ、二人は職場で関わりを深めます。しかし、テピョンには自分から積極的には明かさない家族の事情があります。
裕福な家の出身でも、自分が望む生き方まで自動的に決まるわけではありません。テピョンには、家の力に頼らず好きな仕事をしたいという思いがあります。家族を支えようと働くミレとは立場が違いますが、どちらも家族との関係を抱えながら自分の人生を選ぼうとしている点でつながります。
この作品の準備について所属事務所は、警備員とテコンドーの指導者で衣装や髪形を考え分け、指導の動作も相談しながら練習したと伝えています。一人の人物が二つの仕事を持つため、それぞれの現場で自然に見える工夫が必要だったことがわかります。
恋愛を追いながら、テピョンが家族とどう向き合うのかも見られる作品です。ウミンが仕事への方向性を探す人物だとすれば、テピョンは自分の好きなことを生活の中で守ろうとする人物。似た年代の青年を演じていても、抱えている課題が違います。
歌手と俳優の歩み
チェ・ミンホさんは1991年12月9日生まれ。2008年にSHINeeのメンバーとして韓国でデビューし、2011年にはグループとして日本でもデビューしました。音楽活動ではMINHOさんとしても親しまれています。韓国ドラマに出演するチェ・ミンホさんと、SHINeeのミンホさんは同じ人物です。
俳優活動は2010年のドラマ『ピアニスト』から始まりました。グループの活動を続けながら、ドラマの現場でも仕事を重ねています。歌手として知られる存在が役を演じる時、その人自身の印象を持って見始める方も多いでしょう。出演作をたどると、役ごとの性格や目標が、そうした最初の印象を少しずつ変えていきます。
SHINeeでの活動は、俳優業とは別に長く続く表現の場です。音楽で出会ったファンがドラマを見て、ドラマから知った人が音楽に触れるという入口もあります。ただし、ステージでの姿と役の性格は同じではありません。熱意を前面に出す本人の印象を知っているほど、情熱を持てずにいるウミンとの違いも興味深く感じられます。
『花郎』の中のスホ
2016年から2017年に放送された『花郎〈ファラン〉』では、スホ役を担当しました。太后派の有力者の息子で、武術に優れた気さくな青年です。ト・ジハンさん演じるパンリュとは、親の政治的な立場も異なるライバル同士。反発する相手と同じ花郎の一員になることで、関係が変わっていきます。
パク・ソジュンさんやパク・ヒョンシクさんらが演じる青年たちとともに、訓練や共同生活を経験する役です。スホの率直さは、思いを隠す人物も多い集団の中で目立ちます。一方で、家の立場や恋心が関わるため、勢いだけで進めるわけではありません。
青春時代劇として見るなら、身分や政治の事情が、友情にも影響する点に注目できます。スホとパンリュの違いを知っておくと、二人が同じ場所に立つことの難しさや面白さがつかみやすくなります。個人の恋と、仲間の中で育つ信頼を並べて楽しめる出演作です。
ユミと出会う後輩役
2021年の『ユミの細胞たち』には、会社員チェ・ウギ役で特別出演しました。キム・ゴウンさんが演じるユミが心を寄せる職場の後輩です。恋から遠ざかっていたユミの感情が動き始める時期に、重要なきっかけを作る人物でもあります。
ユミがウギの言葉をどう受け取るかと、ウギ自身が何を考えているかには違いがあります。そのずれが、ユミの心の中で活動する細胞たちの反応につながります。相手の親切を恋の可能性として受け取ってしまう気持ちは、多くの恋愛ドラマにもあるものですが、この作品では内面の動きまで目に見える形で描かれます。
出演時間の長い主演作と、限られた場面で物語を動かす特別出演。それぞれで役の働きは違います。ウギの場合は、彼がユミにとってどのような存在なのかを意識すると、シリーズの始まりを支える役割がわかります。
共演から得る刺激
『ザ・ファビュラス』の公開後のインタビューで、チェ・ミンホさんは、初めて共演したチェ・スビンさんと親しくなることを大切にしたと振り返っています。長年の友人であり元恋人という設定を演じるため、まず相手を知る必要があったという話です。役の関係を成立させる準備に、現場での交流も含まれていたことがわかります。
同じインタビューでは、SHINeeのキーさんが作品をまとめて見て、監督について尋ねる連絡をしてきたというエピソードも明かしました。音楽をともに続ける仲間が、俳優としての仕事も見ている。活動の分野が広がっても、長く続く関係があることを感じさせます。
またチェ・ミンホさんは、以前は早く結果を示したい気持ちが強かったものの、兵役を経た後は焦らず、さまざまな姿を見せたいと考えるようになったと語っています。役を重ねる歩みを知ると、青春ものから大人の恋愛へと広がった出演作も、一つの積み重ねとして受け取れます。
近況と今後の活動
2026年10月25日時点で確認できる公式発表では、音楽面でもソロ活動が続いています。2026年には2枚目のミニアルバム『Make it hot』を発表し、日本でも特典付きの商品が案内されています。ドラマで役を演じる活動と並んで、歌手としての表現も続けていることがわかります。
さらにSHINeeの日本公式サイトでは、2027年2月20日と21日に東京・両国国技館で行うソロコンサートが案内されています。これは今後の予定として公表されたもので、すでに開催された公演とは区別しておきたい情報です。
近年のドラマでは『家いっぱいの愛』のテピョン役が、家族からの自立と恋を並べて描く出演作になりました。音楽の新しい活動を知りながら、ドラマではその前のウミンやスホと見比べると、同じ時期の本人の活動と、作品の中の人物の違いを楽しめます。
最初に見るなら
大人の恋と仕事の迷いを楽しむなら『ザ・ファビュラス』、家族との関係も含めて青年の成長を見たいなら『家いっぱいの愛』がおすすめです。どちらも相手を思う気持ちと、自分の生き方を選ぶことが重なっていますが、職場や家庭の環境は大きく異なります。
初期の主演作から歩みをたどるなら『花ざかりの君たちへ』、仲間との友情を楽しむなら『花郎〈ファラン〉』へ進むと、出演作の幅を感じられます。『ユミの細胞たち』で知った方も、ウギとは違う悩みや目標を持つ役に出会えるはずです。
チェ・ミンホさんのドラマには、誰かとの出会いを通じて、自分の道を選び直す青年たちがいます。SHINeeとしての歩みを背景に知りつつ、それぞれの人物が何を大切にしているのかを追うことが、俳優としての魅力を楽しむ手がかりになります。
