キム・チャユンさんは、職場や学校で暮らす人物を通して、韓国ドラマの日常を支えてきた俳優です。『ユミの細胞たち』のイ・ボニ役、『トキメク☆君との未来図』のキム・ミョンア役、そして『ジャガイモ研究所』のチェ・ジヒョン役をたどると、同じ集団の一員でも立場が違えば見え方が変わる、その面白さに出会えます。
明るい同僚として物語をにぎわせることもあれば、周囲と対立する側に立つこともあります。ここでは出演作を手掛かりに、キム・チャユンさんがどんな人物を担ってきたのか、初めて名前を知った方にも分かりやすく紹介します。
日常を支える俳優
キム・チャユンさんは1997年生まれ。韓国語では「김차윤」、英語では「Kim Cha Yoon」と表記されます。テレビドラマや配信作品に出演し、学生、会社員、時代劇の女性と、時代や環境の異なる役に取り組んできました。
出演作を見ると、中心となる恋愛だけでなく、その周囲にある学校生活や仕事の場にも関わっています。主人公が誰と働き、どんな人間関係の中で毎日を送っているのか。そうした物語の土台に目を向けると、キム・チャユンさんの役柄を見つけやすくなります。
ボニがいる会社
2021年の『ユミの細胞たち』で演じたのは、ユミの勤務先のマーケティング部にいるイ・ボニです。日本語ではイ・ボンヒと表記されることもあります。ユミの心の中の細胞たちが活躍する作品ですが、実写で描かれる会社の人間関係も大切な要素になっています。
ボニは明るく、部署の雰囲気を盛り上げる人物。ユミにとって会社は、恋のきっかけが生まれる場所であると同時に、仕事を続ける現実の場所でもあります。ボニをはじめとする同僚がいることで、ユミの毎日が恋愛だけに閉じず、働く人の生活として広がっていきます。
この役を見るときは、主人公の心の動きと、会社で交わされる会話を一緒に追うのがおすすめです。心の中では大きな出来事でも、職場ではいつもの一日が続いている。そのずれを楽しめるのが、このシリーズならではの魅力です。
2022年の『ユミの細胞たち2』にもボニ役で出演しています。主人公の恋や将来への思いが変化していく中で、同じ人物を続けて追えることは、シリーズを楽しむもう一つの入口になります。
学生役の率直さ
2021年に始まった『トキメク☆君との未来図』では、キム・ミョンアを演じました。韓国での作品名は『学校2021』。大学進学だけを目標にするのではなく、それぞれの夢や進路を探す若者たちを描いた学園ドラマです。
ミョンアは建築科の2年生で、はっきりものを言う性格。コ・ウンビとは反発し合う関係にあり、教室の人間関係に小さな波を起こします。穏やかな友人役とは違い、遠慮のない言葉が周囲との距離をつくる人物です。
この役の分かりやすい見どころは、同級生同士の関係です。大人になりきれない時期には、率直さが気持ちよく届くときも、相手を刺激してしまうときもあります。ミョンアの立場を押さえておくと、青春ドラマの恋愛以外の部分にも目を向けられます。
ボニが職場の空気を明るくする存在なのに対し、ミョンアには周囲とぶつかる面があります。二つの役を続けて見ると、集団の中にいる人物でも、求められる役割が異なることがよく分かります。
時代劇への広がり
2023年の『朝鮮弁護士』ではパク氏夫人役で出演しました。現代の会社や学校とは異なり、身分や家の関係が暮らしに強く影響する時代を背景にした作品です。
出演の長さだけでキャリアを測ると見落としてしまいますが、現代劇から時代劇へと舞台が変わることには意味があります。ふだんの会社員や学生とは異なる立場に置かれた人物を、同じ俳優が演じているからです。キム・チャユンさんの仕事を知るうえでは、こうした作品の幅も押さえておきたいところです。
まず親しみやすい現代劇で顔を覚え、その後に時代劇へ進むと、作品世界が変わったときの違いを探す楽しみが生まれます。大きな筋を先に知りすぎず、登場する場面で誰と関わる人物なのかを確かめながら見るとよいでしょう。
人事担当という立場
2025年の『ジャガイモ研究所』では、ウォンハンリテールの人事チームに勤めるチェ・ジヒョン代理を演じています。ジャガイモ研究に情熱を注ぐ人々が集まる場所を舞台に、仕事と恋が交差するドラマです。
ジヒョンは研究所の職員たちと対立する側の人物。同じ会社員役でも、主人公と親しく過ごすボニとは立ち位置が異なります。仲間として関係をつくる役と、別の組織的な立場から関わる役。その違いが、二つの職場ドラマを見比べる面白さにつながります。
職場の物語では、誰もが同じ目的や価値観で動いているわけではありません。研究を守りたい側と、人事の立場にいる側では、目の前の出来事の受け止め方が変わります。ジヒョンの役どころは、そんな仕事上の関係を意識して見ると理解しやすくなります。
出演作を選ぶなら
キム・チャユンさんを知る最初の一本には、ボニとしての役割が分かりやすい『ユミの細胞たち』が向いています。シリーズを気に入ったら第2作へ進み、職場の同僚たちにも目を向けてみてください。
青春群像劇が好きなら『トキメク☆君との未来図』、働く人同士の立場の違いに興味があるなら『ジャガイモ研究所』が次の候補になります。主人公の恋だけでなく、クラスメートや職場の人々を追う見方が好きな方におすすめしたい組み合わせです。
キム・チャユンさんの出演作をつなぐのは、日常の中で誰かと関わる人物たちです。名前のある一人の同僚や同級生として物語に加わる姿を追うと、いつもの韓国ドラマの中に、もう一つの視点が生まれます。
