キム・ミンソクさんは、出会いを通じて生き方を変える青年、病院で働く研修医、長年付き合った恋人との将来に悩む男性などを演じてきた俳優です。『太陽の末裔 Love Under The Sun』のキム・ギボム、『ドクターズ~恋する気持ち』のチェ・ガンスで知った方もいるでしょう。
恋愛劇に進むと、『この恋は初めてだから』や『都会の男女の恋愛法』では、恋が始まった後の関係を担っています。代表作の役柄から2025年の『テプン商事』までをたどり、好みに合う出演ドラマの選び方を紹介します。
代表作と役柄
生き方を変える青年
2016年の『太陽の末裔 Love Under The Sun』は、軍人と医師の出会いを軸に、任務と命を守る仕事、そして恋愛を描くドラマです。キム・ミンソクさんが演じるキム・ギボムは、主人公たちが出会うきっかけに関わる青年です。
ギボムは、盗みをしたことで軍人のユ・シジンやソ・デヨンと接点を持ちます。けがをして病院へ運ばれた彼をめぐり、シジンと医師カン・モヨンの関係も動き出します。恋の中心にいる人物ではありませんが、序盤の出来事をつなぐ役割があります。
それまで問題を抱えていた青年が、人との出会いを通じて生き方を改めようとする点も、ギボムを知るうえで大切です。最初にどんな人物として登場するかと、その後にどのような居場所を得ていくかを分けて追うと、単なる事件のきっかけ以上の人物として見られます。
大きな舞台で展開するロマンスに加えて、周囲の人々の成長も見たい方に向いています。中心となる二組の恋愛だけでなく、デヨンとギボムの関わりにも目を向けると、作品を別の角度から楽しめます。
病院のチェ・ガンス
同じ2016年の『ドクターズ~恋する気持ち』では、クギル病院の脳神経外科レジデント、チェ・ガンスを演じています。医師ユ・ヘジョンの成長と恋愛を描く作品で、ガンスは彼女と同じ医療現場にいる若い医師です。
ガンスは、ヘジョンの人生に関心を持ち、その話をウェブ漫画に描くほどの人物です。同僚の医師たちと関係を結びながら、病院の一員として働いています。医療を担う専門職であることと、身近な同僚としての親しさを併せ持つ役柄です。
注目したいのは、主人公の医師だけで病院の仕事が完結していない点です。経験の違う医師たちが同じ場所に集まり、それぞれの役割を担っています。ガンスの立場を把握すると、ヘジョンの周囲にある職場の関係を整理できます。
医療ドラマの中に恋愛や同僚の関係も求める方に向いた一作です。『太陽の末裔 Love Under The Sun』で病院へ運ばれる側から物語に入ったギボムと比べると、今度は医療に携わる側を演じているという違いがあります。
七年目の恋人
2017年の『この恋は初めてだから』では、シム・ウォンソク役を担当しています。住まいと仕事、恋愛や結婚をめぐる現実的な事情を抱えた若者たちを描くドラマで、複数のカップルが異なる関係を結んでいます。
ウォンソクは、ヤン・ホランと七年間交際してきた男性です。長く一緒にいて相手を大切に思っていても、将来や結婚についての考えが自然に一致するわけではありません。付き合い始めのときめきより、関係を続けてきた二人が何を期待しているかに関心が向く配役です。
ホランの言葉に込められた期待を、ウォンソクが同じようには受け取れないこともあります。伝えたつもりのことと、実際に伝わったことのずれが、長い交際の中にも残っているのです。どちらかの気持ちだけで判断せず、二人がどんな将来を思い描くかを比べると、関係を理解しやすくなります。
恋愛が成就した後の暮らしや、結婚観の違いを扱う作品に惹かれる方におすすめです。職業や収入、住まいが恋愛と切り離せない題材なので、生活に近い問題を持つ人物を見たい方にも向いています。
ドラマでの歩み
キム・ミンソクさんのドラマでの出発点は、2012年の『美男<イケメン>バンド~キミに届けるピュアビート』です。音楽に関わる若者たちの作品から始まり、2016年には軍人と医師の物語、病院で働く人々の物語へと出演を重ねています。
続く2017年の『この恋は初めてだから』では、長い交際を続ける男性として、人生設計に関わる問題を担います。初期の青春ドラマから、医療現場や大人の恋愛へと、人物の置かれる場が変化してきました。
出演年を追う際に注目したいのは、役の年齢だけではありません。ギボムは人との出会いによって生き方を見直す青年、ガンスは専門職として働く人、ウォンソクは恋人との将来を考える人です。成長という共通の言葉があっても、何を決める必要がある人物なのかは違います。
医師役での受賞
『ドクターズ~恋する気持ち』での仕事は、2017年の第53回百想芸術大賞でも評価されています。キム・ミンソクさんは、同作でテレビ部門の男性新人演技賞を受賞しました。作品全体の受賞ではなく、本人の演技に対する受賞です。
授賞式で本人は、チェ・ガンスという人物を作った脚本家や監督、スタッフへの感謝を述べています。受賞歴を入り口にドラマを選びたい場合にも、ガンス役は押さえておきたい仕事です。
放送当時の報道では、職場の雰囲気を和らげる役割に加え、人物自身の問題が描かれる場面での演技にも言及されています。物語の後半に関わる具体的な事情は知る前に、まず同僚との関係や日常的な立ち位置から見始めると、役への理解を順に深められます。
撮影現場で学ぶ姿勢
2017年のインタビューでは、ドラマの現場で先輩の俳優たちから学んできたことも振り返っています。『太陽の末裔 Love Under The Sun』では、ソン・ジュンギさんからカメラに対する位置取りなどを教わり、チン・グさんからは自信を持って取り組めるよう励まされたと話しています。
『ドクターズ~恋する気持ち』で共演したキム・レウォンさんについては、演技を真剣に話し合い、撮影中にも自分の意見を尋ねてもらった経験を挙げています。演じる人物の年齢や経験が違っても、俳優同士では相談しながら場面を作っていたことが分かります。
こうした本人の説明を知ると、出演歴をヒット作の題名だけで区切る見方から、現場ごとの経験へ関心を広げられます。教わった具体的な方法をすべての作品に共通する演技の特徴と断定するのではなく、それぞれのドラマで積み重ねた経験として捉えたいところです。
受賞を一つの成果として知り、その前後に何を学んでいたかを知る。この二つを合わせると、医師役から長期交際中の男性役へ進んだ時期の仕事を、より具体的にたどれます。
長い交際を演じる視点
『この恋は初めてだから』の出演時、キム・ミンソクさんは、登場人物同士で望みの伝え方が違う点を興味深く受け止めたと話しています。また、ウォンソクが長く交際を続けてきた背景には、ホランへの信頼があるという考えも示しました。
この発言を踏まえると、二人のすれ違いを愛情の有無だけで判断する必要がないことが分かります。相手を信頼していることと、相手の希望を理解していることは別の問題です。本人の説明は、長い関係の中で起きる行き違いを読む手掛かりになります。
2020年に配信が始まった『都会の男女の恋愛法』でも、長く付き合う恋人のいる男性を演じています。役は建築家チェ・ギョンジュン。現実的で理性的な一方、長年の恋人ソ・リニを大切にしている人物です。
二作品を比較するなら、長期交際という共通点に加え、それぞれがどのような仕事を持ち、相手とどのような暮らしを望んでいるかに目を向けるとよいでしょう。同じ恋人役でも、二人の関係を決める条件まで同じとは限りません。
『都会の男女の恋愛法』は、複数の若者の恋愛観が並ぶ作品です。ギョンジュンだけを理想の恋人かどうかで判断するより、ほかの人物が重んじるものとの違いを意識すると、彼がどのような関係に安心を感じるのかを考えながら見られます。
友人役の『テプン商事』
2025年の『テプン商事』では、ワン・ナムモを演じています。若い社長カン・テプンの親しい友人で、チキン店を営む人物です。主人公と会社の同僚という関係ではなく、友人として物語につながっています。
物語の背景は1997年の金融危機です。商社の存続を目指す主人公を追うだけでなく、その周囲にも生活や仕事を持つ人々がいることに目を向けると、会社の外側へ人物相関が広がります。
ナムモという役を選ぶ手掛かりは、恋愛相手ではなく親友である点です。『この恋は初めてだから』や『都会の男女の恋愛法』から出演作をたどる方は、今度は主人公との友情に注目できます。恋人の役で知った俳優を、違う種類の親しい関係から見る機会になります。
好みに合う一作を選ぶ
大きな舞台の恋愛と青年の成長を楽しみたいなら『太陽の末裔 Love Under The Sun』、病院で働く人の関係を見たいなら『ドクターズ~恋する気持ち』が入り口になります。後者は、受賞につながった役を知りたい方にも合います。
付き合い始めるまでより、その後の関係に興味がある方には『この恋は初めてだから』や『都会の男女の恋愛法』をおすすめします。結婚観や生活の条件を気にしながら見たいか、複数の人の恋愛観を比べたいかで選び分けるとよいでしょう。
働く人々と友情の物語が気になるときは『テプン商事』へ。キム・ミンソクさんの出演作は、青年、医師、恋人、友人という立場の違いから選ぶと、同じ人物像にとどまらない広がりを楽しめます。
