イム・ソンジェさんは、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の飲食店主キム・ミンシクや、『瑞草洞<ソチョドン>』の弁護士ハ・サンギなど、主人公の周囲にある日常を担う役で知られる俳優です。『ニュートピア』では軍人イノを演じ、非日常の危機に置かれる人物も担当しています。
『テプン商事』では、劇中のテレビ番組に登場するキム・チュソク役でゲスト出演しました。代表的な出演作と役作りに関する本人の言葉から、次に見るドラマを選ぶ手掛かりを紹介します。
三つの代表的な役
ヨンウの身近な店主
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』は、新人弁護士ウ・ヨンウが仕事や人間関係を通じて成長するドラマです。イム・ソンジェさんが演じるキム・ミンシクは、トルボネ酒店の店主で、ヨンウの友人トン・グラミと関わる人物です。
裁判や法律事務所を中心に展開する物語の中で、ミンシクはその外側の日常を担っています。ヨンウが働く時の人間関係とは別に、友人たちと過ごす場所があることを伝える役です。
ミンシクを見る際は、店主という肩書だけでなく、グラミとの距離の近さに注目すると人物をつかみやすくなります。法律の専門家たちの緊張した関係と、気心の知れた人々の会話を行き来できるのが、この作品の楽しみの一つです。
法廷ドラマに興味がありつつ、登場人物の普段の暮らしも見たい方に向いています。ミンシクは事件を担当する弁護士ではないため、主人公を支える世界が職場だけに限られないことも意識して見られます。
働く弁護士サンギ
『瑞草洞<ソチョドン>』では、ハ・サンギを演じています。ソウルの法曹タウンで働く五人の雇われ弁護士を中心に、日々の仕事、食事、会話を描く作品です。
サンギは五年目の弁護士で、物腰は穏やかでも自分なりの線引きを持つ人物です。組織の中で働き、仲間たちと食事を共にする一人として登場します。
この作品では、依頼人のために働く顔と、仕事を終えて自分の生活へ戻る顔の両方が物語になります。肩書の大きさよりも、仕事のストレスや職場の人間関係をどう受け止めているのかに関心を持つと、サンギの立ち位置が分かります。
イ・ジョンソクさん、ムン・ガヨンさん、カン・ユソクさん、リュ・ヘヨンさんとともに、中心となる五人組の一人を演じています。会話の中で人物同士の考え方が違うことを楽しみたい方に、選びやすいドラマです。
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』では法律の世界の外にいる店主でしたが、この作品では実際に法曹タウンへ通う側に立ちます。二つの作品を続けて見ると、似た分野を扱うドラマでも、俳優の役割が大きく変わることが分かります。
『ニュートピア』
『ニュートピア』は、ゾンビが出現したソウルで、離れた場所にいる恋人同士が互いを目指す物語です。イム・ソンジェさんは、パク・ジョンミンさんが演じる軍人ジェユンの後任兵イノとして出演しています。
普段の軍務の延長では対応しきれない危機に、仲間とともに直面する役です。弁護士たちが毎日の仕事に向き合う『瑞草洞<ソチョドン>』とは異なり、生活そのものが崩れる状況が舞台になります。
登場人物が危険を切り抜けようとする過程に、笑いの要素も重なる作品です。仕事帰りの会話を楽しむ作品とは違うテンポのドラマを見たい方や、サバイバルと人物同士のやり取りを一緒に楽しみたい方に向いています。
ただし、ゾンビによる襲撃が中心にあるため、穏やかな日常劇を期待する場合には前の二作品から選ぶほうが合うでしょう。イノが置かれた極端な環境を楽しめるかどうかが、視聴作品を選ぶ目安になります。
犯罪ドラマでの別の顔
2023年の『最悪の悪』では、犯罪組織・江南連合の幹部チェ・ジョンベを演じています。麻薬取引を追う警察官が組織に潜入する犯罪アクションで、イム・ソンジェさんは捜査する側ではなく、潜入される組織の内部にいる人物です。
ジョンベは、ウィ・ハジュンさんが演じるボスのチョン・ギチョルと、組織ができる前から関係を築いてきました。新しく近づいてくる人々に疑いを向ける役割があり、誰を信頼するかという問題に関わります。
人が集まる場所にいるという意味では店主ミンシクとも共通しますが、こちらでは集団に入ってくる相手を慎重に見ています。仲間の輪を和やかにすることと、組織の内側を守ろうとすることでは、同じ対人関係でも目的が異なります。
イム・ソンジェさんの親しみやすい役を知ったうえで、緊張を含む人間関係を見たい方に合う作品です。潜入捜査という設定上、互いが知っていることの違いが物語を動かすため、登場人物の立場を押さえて見始めると理解しやすくなります。
台本と対話を軸に
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の放送後、イム・ソンジェさんは、よく練られた台本への信頼があり、自分の解釈を大きく足す必要を感じなかったと説明しています。笑いを生む役だからといって、すべてを即興で作っていたわけではありません。
一方で、撮影現場ではリハーサルや俳優同士の相談の時間が用意され、自由に演じられる場面もあったそうです。決まった台本を土台にしながら、共演者とのやり取りを組み立てていたことがうかがえます。
こうした発言を知ると、人物の面白さを単独の言葉や仕草だけで評価せずに見られます。相手がいて、会話の目的があり、その場所に集まる人々の関係がある。その中にミンシクを置いて考える見方です。
『瑞草洞<ソチョドン>』の制作発表会では、サンギに自分と似た部分があり、自然に演じることができたと話しています。作品ごとに役との距離は異なり、その違いが本人の言葉から分かります。
『最悪の悪』については、当初出演を断るつもりだったものの、ハン・ドンウク監督と長く話す中で作品に関わりたい気持ちが生まれたと振り返っています。話し合いの前に脚本を細かく読んでいたため、具体的に提案できることもあったそうです。
別のインタビューでは、組織の中でジョンベが担うのは疑う役割だと、監督から明確に示されていたことも説明しています。人物の性格を単独で考えるだけでなく、集団の中でどんな働きをするのかを整理することが、役作りの土台になっていました。
役柄の位置を見比べる
ミンシクとサンギには、誰かと会話を交わす日常があるという共通点があります。ただし、ミンシクは店を構える側、サンギは職場から出て仲間と食事をする側です。
人物が同じテーブルにいる場面でも、そこが自分の働く場所なのか、息をつける場所なのかで意味は変わります。こうした立場の違いから役を見ると、単に明るい人物、面白い人物という分類では捉えきれない部分が見えてきます。
イノは、日常的な付き合いが危機への対応に直結する人物です。仲間との関係がどんな場所で築かれ、どのような状況に置かれるのかを比較すると、出演ジャンルの違いを具体的に楽しめます。
近年の異なる出演
2025年の『テプン商事』では、キム・チュソク役でゲスト出演しています。劇中のテレビ番組「愛のスタジオ」の出演者であり、商社の社員を演じているわけではありません。
1997年を舞台とする物語の中に、当時のテレビ文化を思わせる番組が置かれています。イム・ソンジェさんの出演を探す際は、会社の場面ではなく、この劇中番組を目印にすると分かりやすくなります。
2026年の『ワンダーフールズ』では、カン・ロビンを演じています。1999年の地方都市を舞台に、突然超能力を得た人々が町の危機と向き合うアクションコメディです。
ロビンは、主人公チェニの祖母の食堂で働く友人です。頼みを断りにくい人のよさを持つ人物が、思いがけず大きな力を得るという組み合わせが、役の特徴になっています。
『ニュートピア』と同様に、普通の生活から非日常へ踏み出すドラマですが、ロビンは危機から逃れるだけでなく、力を持つ側にもなります。能力を得たことと、それをどう使うかが別の問題である点に注目したい作品です。
最初の一本を選ぶ
人々の温かなつながりと法廷ドラマの両方を楽しみたいなら、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』が入口になります。ミンシクの店に集まる人々を見ることで、ヨンウの職場以外の世界にも触れられます。
イム・ソンジェさんを中心的な人物の一人として追いたい方や、働く大人たちの会話を楽しみたい方には、『瑞草洞<ソチョドン>』がおすすめです。サンギの考え方が仲間とどう違うのかに注目すると、五人の関係を楽しめます。
信頼と疑念が入り交じる犯罪劇なら、『最悪の悪』を選べます。ジョンベが相手を疑う理由を知ることは、その人物に賛同することとは別です。組織の中にいる人がどんな論理で動くのかを考えたい方にも向いています。
危機の中の仲間同士のやり取りに興味があるなら『ニュートピア』、超能力を持った人物の冒険を見たいなら『ワンダーフールズ』を選べます。店主、弁護士、軍人、食堂で働く友人という立場を知っておくと、次の作品で出会うイム・ソンジェさんの役を捉えやすくなります。
