クォン・ウンソンさんは、『テプン商事』のオ・ボム役や、『パチンコ』シーズン2の幼いモーザス役で、家族の物語に子どもの立場から関わっている俳優です。大人たちが向き合う問題を、その家で暮らす子どもはどう受け止めるのか。そうした視点を持つと、役柄の位置づけが分かりやすくなります。
まず知っておきたい出演作は、『テプン商事』、『パチンコ』シーズン2、『わたしの完璧な秘書』です。物語への関わり方や出演の比重は作品ごとに異なりますが、近年のドラマ出演歴をたどる入り口になります。
家族の末っ子を演じる
2025年の『テプン商事』では、小学生のオ・ボムを演じました。キム・ミンハさん演じるオ・ミソン、クォン・ハンソルさん演じるオ・ミホの弟です。祖母や姉たちとつながる末っ子として、主人公たちの家庭に加わります。
作品の舞台は、1997年の経済危機に直面する韓国です。会社で起きる問題を扱う物語でも、家には働く大人だけが暮らしているわけではありません。ボムという子どもがいることで、ミソンが背負う家族の生活を、具体的な関係として捉えられます。
この役に注目するときは、大人と同じ情報を持ち、同じように問題を理解している人物として見ないことが大切です。姉にとっては仕事の危機でも、弟には日常の変化として伝わることがあります。家族のなかで知っていることが違うという視点が、群像劇を楽しむ手がかりになります。
ミソンを職場の人物として知った後に、姉としての立場を見る。その行き来も、ボムのいる家族場面に注目する面白さです。主人公の暮らしが会社の外にも続いていることを、家族の関係から考えられます。
幼いモーザスの時代
2024年公開の『パチンコ』シーズン2では、幼いモーザスを演じました。複数の世代にわたる家族の歩みを描くシリーズで、キム・ミンハさんが演じるソンジャの息子にあたる人物です。『テプン商事』での姉弟とは異なる家族関係になります。
同じ俳優同士でも、一方では母と子、もう一方では姉と弟という組み合わせです。共演者の顔ぶれを手がかりに作品を選ぶ方には、その関係の違いを楽しめる二作といえます。作品ごとに、誰が生活を担い、子どもがどの立場にいるのかを確かめると理解しやすくなります。
制作を手がけるスー・ヒューさんは、シーズン2の取材で、幼いモーザスが韓国語と日本語を使う設定について説明しています。日本で育ちながら、家庭では韓国語に触れる人物であるためです。撮影に臨んだクォン・ウンソンさんにとって、言語も役を成立させるための課題でした。
この説明を知ると、台詞を情報として聞くだけでなく、家の内と外で異なる言語に触れる子どもの生活を考えられます。単に幼い時期を演じる役ではなく、その時代と場所で育つ人物を担っている点が、モーザス役を見る手がかりです。
確認できる出演の歩み
2025年末に掲載された韓国の映像専門誌のインタビューでは、クォン・ウンソンさんのドラマ出演歴に、2024年の『パチンコ』シーズン2、2025年の『わたしの完璧な秘書』と『テプン商事』が記載されています。
『わたしの完璧な秘書』は、仕事に力を注ぐ女性経営者と、生活面にも気を配る男性秘書を中心に描くドラマです。クォン・ウンソンさんの出演歴を広げて知りたいときの一作ですが、役の比重を主役級と受け取らず、作品全体のなかで登場を確かめる見方が向いています。
子役の出演歴をたどる際は、作品数だけで役の大きさを判断しないことも大切です。物語の中心に継続して関わる役と、限られた場面で登場する役では、見るときの期待も変わります。役名と家族関係がはっきり分かる作品から入ると、人物を追いやすくなります。
子どもの立場で見る
ボムとモーザスに共通するのは、社会や家庭の大きな事情を自分で決める立場にはいないことです。それでも、周囲の大人たちの選択は子どもの日々に関わります。大人の物語のそばで、子どもにはどんな生活が続いているのかを意識すると、家族劇の見方が広がります。
一方で、二人は同じ時代、同じ場所に暮らす人物ではありません。『テプン商事』では1990年代の韓国の家庭、『パチンコ』では日本で暮らす家族の歴史が背景にあります。子ども役という共通点よりも、その子が何に囲まれて育つのかを比べると、役柄の差が具体的になります。
大人の問題を解決するための役としてだけ見ず、本人の暮らしを持つ家族の一員として見ることが、クォン・ウンソンさんの二つの役を楽しむ方法です。家族に対する呼び方や、誰と一緒に過ごす人物なのかを確かめるところから、物語に入っていけます。
次に見るなら
『テプン商事』のボム役が気になった方には、同じキム・ミンハさんと異なる家族関係を演じる『パチンコ』シーズン2が候補になります。家族の歴史が続くシリーズなので、作品を初めて見る場合はシーズン1から人物関係を追うと入りやすくなります。
現代の仕事と暮らしを扱う作品が好きなら、『わたしの完璧な秘書』にも出演しています。まずは役を把握しやすい『テプン商事』と『パチンコ』を軸にし、その後に他の出演作へ広げると、クォン・ウンソンさんが物語のどこにいるのかを見つける楽しみが増えていきます。
